葬儀に参列できない場合、香典を現金書留で送ることを決めたものの、「一体いつ送るのが最も適切なのか」というタイミングに迷う方は少なくないでしょう。早すぎても、遅すぎても、ご遺族に余計な気遣いをさせてしまうのではないか。そのように考えるのは、相手を思いやる気持ちがあるからこそです。香典を送るタイミングは、訃報を知った時期や、葬儀の日程によって、いくつかのパターンに分かれます。まず、訃報を通夜や告別式の前に知り、時間に余裕がある場合です。この場合は、「通夜や告別式の当日に、斎場に届くように手配する」のが最も丁寧な対応とされています。ご遺族は、斎場で香典を受け取り、その場で会計係が管理することができます。ただし、斎場によっては現金書留の受け取りに対応していない場合や、ご遺族が受け取りを辞退されている場合もあるため、可能であれば事前に葬儀社などに確認すると、より確実です。宛先は「〇〇斎場気付 〇〇家様（または喪主様氏名）」とします。次に、訃報を知ったのが葬儀の直前で、当日の配達に間に合わない場合や、葬儀が終わった後に訃報を知った場合です。このような場合は、慌てて斎場に送る必要はありません。むしろ、葬儀直後のご遺族は、疲労困憊の中で様々な手続きに追われています。その慌ただしい時期に現金書留が届くと、かえって対応の負担を増やしてしまう可能性があります。そのため、葬儀が終わってから数日後、少し落ち着かれたであろうタイミングを見計らって、「ご自宅宛」に送るのが賢明な判断です。目安としては、葬儀後二、三日から、一週間以内くらいが良いでしょう。遅くとも、四十九日法要までには届くようにしたいものです。もし、訃報を知るのが大幅に遅れ、一ヶ月以上経ってしまったような場合は、香典を送る前に、まずはお電話などでご遺族にお悔やみを述べ、今から香典を送らせていただいてもご迷惑ではないか、と一度お伺いを立てるのがより丁寧な対応です。どのタイミングで送るにせよ、大切なのは「ご遺族の状況を最優先に考える」という心遣いです。その思いやりがあれば、あなたの弔意は、必ず適切な形で相手の心に届くはずです。